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進学ことはじめ

進学準備編(14)2020年「共通テスト」で入試制度はどう変わる?

2019/09/12
進学準備編(14)2020年「共通テスト」で入試制度はどう変わる?

センター試験の後継として2021年1月からスタートする「大学入学共通テスト」(以降、「共通テスト」)。今までの「大学入学者選抜大学入試センター試験」(以降、「センター試験」)と何がどのように変わるのだろうと不安に思っている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「共通テスト」の科目別の変更点や、注意点などを分かりやすくまとめてみました。
(※この情報は2019年7月現在のものです)


●「センター試験」から「共通テスト」へ。進む大学入学者選抜の改革

「共通テスト」導入のきっかけは、昨今の社会背景にあります。急速なグローバル化に伴い、英語力向上が課題となっています。そこで共通テストの「英語」では、民間の資格・検定試験が併用されるようになります。文部科学省のWEBサイトによると、現行の高等学校学習指導要領では、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能をバランスよく育成することとされており、次期学習指導要領においても、こうした取組が求められているといいます。大学入学者選抜においても、英語4技能を適切に評価する必要があり、共通テストでは、現に広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用することになりました。

また、将来人工知能をはじめとする技術革新や、不安定な経済など予見の困難な時代の中で、新たな価値を創造していく力を育てることも課題となっています。そこで、共通テストでは、「国語」と「数学」で記述式問題を導入することにより、解答を選択肢の中から選ぶだけではなく、自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述したりする思考力・判断力・表現力を評価します。

正確な「知識・技能」を中心に問う「センター試験」から、それに加えて、「思考力・判断力・表現力」を多面的、総合的に評価するため、「共通テスト」の導入が決まったのです。


●注目すべき変更点とは?

「共通テスト」における主な変更点には以下があります。




変更点の一つとして「センター試験」は全てマークシート方式で実施されていましたが、「共通テスト」からは、数学Iと国語において、マークシート方式に加えて記述式問題が導入されるようになります。国語では、マークシート式問題とは別に、小問3問で構成された記述式問題が一つの大問で出題されます。数学Iは、マークシート式問題と混在した形で、小問3問が出題される予定です。

また英語では、主に英文を読んで概要や要点を把握する力や、必要な情報を読み取る力などが問われるようになり、発音やアクセント、語句整序などを単独で問う出題はなくなると考えられています。


●英語の民間試験・資格「大学入試英語成績提供システム」とは

2021年度入試からは、英語において「大学入試英語成績提供システム」の採用も始まります。この制度は共通テストを実施する大学入試センターが、外部資格や検定試験の成績を管理するもので、受験者は共通テストの外国語(英語)ではなく、民間の試験・資格の成績を受験に使用することができます。初年度は、システムへの必要な参加要件を満たした以下の資格・検定試験が対象となります。


<利用できる外部試験>

ケンブリッジ英語検定、TOEFL IBTテスト、IELTS、GTEC、TEAP、TEAP CBT、英語検定


ただしこのシステムは入試方式や受験学部・学科により、試験に活用できるかどうかが異なります。そのため、事前に志望校が共通テストの成績を使うのか、民間試験・資格のスコアを使えるのか、また民間試験・資格を使える場合、どの試験・資格が活用できるのか、などを確認しておく必要があります。



●資格・検定試験のスコアは対象となる期間・回数に注意

上記の試験・資格の中からどの試験を受けるかは自由に選べますが、受験期間・受験できる回数は限られているので注意が必要です。また、対象となるスコアは高3の4月から12月の間に受けた2試験分の結果ですが、例えば10回受けたうちの成績が良かった2回分が採用されるというわけではなく、成績はどうであれ申し込みの際に決めた2回分が採用されることになります。


●センター試験と比べると難しくなるの?

2017年11月に実施された第1回試行調査(以降、「プレテスト」)結果によると、センター試験の平均正答率は約6割といわれていたのに対して、「プレテスト」では正答率が5割に満たない問題が数多く見受けられました。そのことから「共通テスト」が「センター試験」より難しくなるのではと考える人も多いでしょう。しかしながら、これは問題の難易度が上がったわけでなく、新しい出題形式に慣れていなかったことが原因に挙げられています。そのため、基本的には入試形式が変わっても、問われる知識のレベルや内容は変わらないと考えて良いでしょう。ただし、思考力や判断力を必要とする問題は増えるため、ベースとなる知識をしっかりと身に付け、普段から自分なりの考えをまとめられるように意識することが大切です。


「共通テスト」への変更で不安に感じている人も多くいるでしょう。しかし問われる知識の範囲が大きく変わるわけではありません。志望校の受験要項を正確に把握し、計画に沿って効率よく学習を進めることが大切です。


参考:文部科学省WEBサイト「高大接続改革『大学入学共通テスト』について」

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1397733.htm