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進学ことはじめ

アンケート調査編(10)先輩たちの併願事情② 併願を利用した満足度は?

2019/11/01
アンケート調査編(10)先輩たちの併願事情② 併願を利用した満足度は?

受験の際、複数の学校を受験する「併願受験」。また、同じ学校の複数の学部・学科を受験する「学内併願」。これらはスケジュールや経済的に許される限り、いくらでも受験可能です。受ける数が多いほど合格するチャンスも増えますが、無理な予定はあまり現実的とは言えません。出願を控え、どんな学校を何校受ければいいのかと不安になることもあるでしょう。そこで今回は実際に受験を経験した先輩たちに、出願した学校数や併願を利用した満足度についてのアンケートを実施しました。
【調査時期:2019年8月/対象:20代男女200人/ウェブ上のアンケート調査】



●一般受験、全部で何校出願した? 平均は?

一般受験で実際に併願したという人に、その出願数について聞きました。

アンケート結果を見ると最も多いのが2出願、次いで3出願となっており、2、3出願した人が全体の約6割を占めています。一部例外もありますが、出願数が増えるほど、併願した人の割合が少なくなる傾向にあります。今回のアンケートでは平均が3.6出願という結果になりました。少数の併願をした人が半数以上を占めていることから、多くの先輩たちが受験する学校を検討し、出願数を絞ったと考えられます。



●併願利用の満足度は?

続いて併願をした人に、併願制度を利用して良かったかと思うかどうか、その満足度について聞いてみました。


アンケート結果によると、併願して“良かったと思う”の回答が7割強となり、実際に併願受験をした多くの人が満足しているという結果になりました。


“良かったと思う”を選んだ理由は、

「一校だったら浪人していたかもしれない」

「第一志望校を受ける前に他の合格が決まっていると気が楽」

「第一志望に安心して臨めた」など

併願の数だけチャンスがあるため、もし第一志望校に落ちても浪人決定ではない、という安心感が得られたことが大きかったようです。


また中には、

「浪人を回避でき、ワンランク上の大学にも挑戦できた」

「併願を検討する中で見つけた学校に出願し、実際に入学できた」

「受験を通してパンフレットや見学だけでは分からない内部の雰囲気を知ることができた」

など第一志望校よりレベルの高いところに挑戦したり、今まで考えていなかった学校を知り、視野が広がったという意見もありました。


反対に“良かったと思わない”と答えた人からは

「併願しても受験料の考慮等がなかった」

「いざという時の安心につながったが、受験料が高額だった」

といった意見が多く、併願することにより経済的な負担が増えた点が後悔の原因となっているようです。

そのほかに「本命も含めて全部受かったから。練習を兼ねて複数受けるのもいいが、たくさん受けなくても良かったかも」という意見も見られました。

このことから、併願先を決める際には自分の実力を基準に、どんなレベルの学校を何校受ければ良いのか、をしっかり検討する必要がありそうです。



●併願校選びはバランスが大事

一般的に併願の際は、チャレンジ校、実力相応校、安全校の3つに分けて受験するケースが多いようです。チャレンジ校は自分の偏差値より+5~10の学校、実力相応校は±0~+5の学校、安全校は-10前後の学校が目安といわれています。校内だけでなく、全国模試の結果などから自分の実力を把握し、バランスよく併願校を選ぶことがポイントとなります。

また併願方法として、志望学部・学科が決まっている場合には、異なる学校の同一学部・学科を受験するパターンと、どうしても行きたい学校がある場合は、学内併願も手段の一つとしてあります。しかし、学校のブランドイメージなどにとらわれ、入学後に自分に合わないと気づいても遅いので、将来を見据えて、自分が何を学びたいかを重視して出願しましょう。

また経済面では受験料に加えて、合格した場合には納入期限までに「学納金」と呼ばれる入学金や授業料などを支払う必要があります。第一志望校の合格発表を前に、安全校の納入期限がある場合は、計画の立て直しをオススメします。なぜなら多くの場合、入学を辞退しても入学金は返還されないからです。例えば国立大学昼間部の入学金は、文部科学省令による標準額で282,000円と定められており、その額を踏まえて、各国立大学法人が定めることとなっています。このように、1校だけでも高額な入学金。数校分の大きな負担を負わないために事前によく調べ、計画することが大切です。


●まとめ

アンケート結果から、併願の内容は自分の今の実力を基に、バランスよく選ぶことが大切といえます。受験の際、不安を和らげることが併願の大きなメリットですが、出願数が多くなるにつれ、経済的負担が増えるというデメリットもあります。WEBやパンフレット、オープンキャンパスなどで、受験日程や費用の情報をしっかりと収集し、後悔のない併願にしましょう。